「出世すると忙しくなるし、大変になるから俺は出世したくないな〜」
「今の世の中、出世したくない人が多いのも当然でしょ?」
若手の方は、先輩や上司の「俺は出世したくない」話を聞かされることも多いかと思います。
しかし、本当にそうでしょうか?
出世という選択肢を持っていて「出世しない」ならまだしも、自身のプライドのために「出世できない」のに「出世したくない」と言う方も多くいらっしゃるでしょう。
最近は、多様な働き方が認められるようになってきた反面、とりあえずの言い逃れとして「出世したくない」と口にする人も増えています。
今回は、出世することによるメリットについてご紹介していきます。
出世の本質を見極めろ
「出世」:立派な地位・身分となること。
出典:広辞苑
出世すれば給与が上がる、社内外での影響力が強まる、大きな仕事を任せてもらえる。
だから出世したい。
出世すると仕事量が増える、責任が大きくなる、社内政治に巻き込まれる、ワークライフバランスが成り立たない。
だから出世したくない。
上記のような考え方が一般的でしょうか。
もし、あなたが上記のように感じていたのであれば、それは概ね正しいもしれません。
ただし、それだけが出世の本質なのでしょうか。
出世の本質とはなにか。
それは、「成長」することです。
出世とは、成長をすることで人生の選択肢を広げることができる、限られた人が持つ権利です。
同じ会社の同じ部署に在籍していても、出世できずに役職に就けなかった社員と、出世して部長になった人では、経験値に雲泥の差が生まれますし、転職する場合も優遇されます。
眼の前の仕事を一生懸命頑張って実力をつけ、自己成長し、出世する。
その結果が、道を切り拓き、人生の選択肢を増やすことに繋がるのです。
「そこそこの給料があって平穏に暮らせればいいから、出世をしたくない」と言っている人は、今後淘汰されていきます。
今後、より個人の「価値」が重要視されていく世の中へと時代の流れが傾く中で、「そこそこでいい」という発言は、自身の身を自らリストラへと近づける行為とも取れるでしょう。
サラリーマンであれば、仕事の時間は週に5回ありますし、常に仕事があるのが一般的です。
土日も仕事のことだけ考えた方が自由な生き方の実現に繋がる、とまでは言っているのではなく、まずは平日の週5日だけでも出世、ひいては理想の自己実現に向けて精進すべきです。
目の前にあること頑張るだけで、評価されて出世に一歩近づきます。
出世こそが自己成長の、そして人生の理想の道を切り拓く近道なのです。
出世をしたくないのはなぜ?
なぜ、出世をしたくない人がいるのでしょうか。
可能性は大きく3つ考えられます。
- 「差」を知らない
- ただの言い訳
- そもそもキャリアプランが明確でない
- 妊娠/出産後に子育てに励みたい
1.「差」を知らない
出世した人としたく無い人の間には様々な「差」が生まれてきます。
その一つが「給与」ではないでしょうか?
役職 男性 女性 月収 平均年齢 月収 平均年齢 部長 65.52万円 52.2歳 60.16万円 51.8歳 課長 52.64万円 48.2歳 47.12万円 48.9歳 係長 40.17万円 44.4歳 35.09万円 44.9歳 役職なし 21.49万円 – 21.13万円 – 引用:厚生労働省-平成29年賃金構造基本統計調査
出世できた人とそうでない人の間にはこれほどまでに給与に差が生まれます。
例えば、男性の部長と課長には、月収に約13万円の差があります。
これを年間にすると、150万円以上の差が生まれます。
150万円があれば、成人1人が半年間は生活できるほどの大金です。
出世したくない人は、これだけの差が生まれることも知らないという状況を知らないのかもしれません。
2.ただの言い訳
年齢が上がり、会社での在籍期間が長くなるほど、後輩(在籍期間が短く、自身よりも年齢や立場が下の人)も増えてくるでしょう。
当時の同期が出世を始めて、自分だけが出世できないとなると変なプライドが見栄を張りたくなることもあります。
さらには、後輩だった社員たちまでもが自分より上の役職に就き始めると、
「自分は○○のせいで出世できなかった(本当は出世したかったけど、避けられない外部要因があった。もし、○○がなければ確実に出世できるほどの実力を持っていた)」
「自分はもともと出世したくなかったから、想定どおり(あくまで、『できない』のではなく、『したくなかったからしなかった』だけ)」
という、負け犬の遠吠えが始まります。
かつては「自分も出世したい」と思っていた人も、そのような状況に置かれてしまうと、自分は「出世できなかった」のではなく「出世したくなかった」と言い訳を漏らしてしまうこともあるでしょう。
3.そもそもキャリアプランが明確でない
そもそも、自分のキャリアプランが明確でなければ、今の会社で何を頑張るべきなのか、いつまで頑張るべきなのか、転職するべきかどうかの判断もつきません。
終身雇用が崩壊が見えてきた今、「個人で生きる力」が重要視されています。
その中で、今の会社で成長したいのなら出世を目指すべきだし、別のスキルを身につけるために転職を考えているのなら、出世の優先度は低くなります。
キャリアプランが定まっていないために、出世をしたいかどうかがわからない、という状況もあるのではないでしょうか。
4.妊娠/出産後に子育てに励みたい
「私は女性だし、どうせ寿退社する予定だし、出世なんてしたくない」
「出世したところで意味がない」
と思っている女性の方もいらっしゃるでしょう。
※女性だけでなく、「主夫」になる予定の男性もいらっしゃるかもしれませんが、わかりやすい事例として妊娠/出産を例にあげています
どうせ辞めるから、これ以上頑張っても意味がない、と考えてしまうと、思考が停止し、日々の「仕事」が「作業」になりがちです。
辞めることがわかっていたとしても、目の前の仕事を一生懸命やり切ることで、主婦となっても自宅で副業をするスキルに繋がるかもしれません。
職場への復帰を考えている人にとっては、再出発する地点が少しでも進んでいた方が給与のベースが高いところから始まりモチベーションをコントロールしやすいでしょう。
家族の問題もあるため、100%正しいという答えはありませんが、やはり出世をしている人の方が復帰後も優位に仕事を進められるのではないでしょうか?
出世はキャリア実現への一歩
出世をすることで、良いことばかりではないかもしれません。
社内政治に巻き込まれ、部下の責任も負わなければならないですし、仕事量も増えてストレスが溜まる事もあるでしょう。
しかし、出世をすることであなたの選択肢が増えることは間違い無いと言っても過言ではありません。
給与は上がり、社内外での影響力は強くなります。
もし今の会社でこれ以上見込めない、キャリアステップの実現に近づけないと判断したら、躊躇せずに会社を飛び出しましょう。
成長をしたいのに、出世をしてリスクを背負うことが怖いのは矛盾していると言えるのでは無いでしょうか。
最後に
出世できるチャンスがある人は、他の人にはない「権利」を持っています。
出世をしたいか、したくないかはあなたの自由ですが、
仕事を通じて人生を成長させていきたい、理想のキャリアを自己実現をしたい方にとって、出世をしたくないと拒む必要はどこにもないでしょう。
※もちろん、社内政治や会社の業績など変数を挙げればキリがありませんが、、、
皆さんも自身のキャリアプラン実現に向けて考えたとき、何が効果的なのかを再度考えてみましょう。
出世をしたくない状況にあっても、出世を目指すことで生まれる新しい道が見えてくるかもしれません。
少なくとも、口だけの「出世したくない」おじさんには、なりたくないですね。