キャリアアップという言葉を聞くと「転職」というイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし、キャリアアップは転職せずともすることが可能です。
それは、「社内」でのキャリアアップを目指すことです。社内にて自身が理想とするキャリアアップができるのであれば、転職などで無理に環境を変える必要もありません。
そこで、重要なのが「社内営業」です。
社内営業は職種や業界問わず重要です。ここでの社内営業は単に「常に相手の顔色を伺って、胡麻を擂る」という意味合いではなく、「円滑なコミュニケーションを取るための一工夫」といったところでしょうか。
社内営業がうまい人材は、すべての仕事をスムーズに推進し、信頼されているためにキャリアップが早い傾向にあります。
今回は、転職せずとも早期にキャリアアップをするために社内営業を活用するポイントについて、紹介します。
社内営業が下手な人間は出世できない
基本的に企業に属するうえでは、他者との協力が不可欠です(もちろん、属していなくても重要です)。リモートワークが普及している現在においても、必ず誰がと協力して一つの仕事を形にしていることがほとんどかと思います。
確かに一人でできる仕事も全くないわけではありませんが、特に日本の社会において一人で仕事をするのは、そう簡単なことではありあせん。
キャリアアップをするためには実績を出して周囲を認めさせることが重要です。それは、社内でも転職によるキャリアアップでも同じことでしょう。
しかし、あなたキャリアアップに値する実績を出していたとしても、社内のメンバーとは関係が悪く周囲の協力を得づらい状況だとします。
その場合、せっかく成果をあげているにも関わらず、それが原因でキャリアアップのチャンスを逃してしまうこだってあるのです。
もちろん実際には「社内営業が下手な人=仕事ができない人」ではありません。同様に「社内営業がうまい人=仕事ができる人」出ないこともまた事実です。
社内営業がだけがうまくて、仕事の成果を出せていないのはもっての外ですが、自身のスキルや成果と関係ないところでマイナスのイメージを与えないためにも、社内営業は非常に重要な「仕事」の一つです。
社内営業がうまい人が実践している4つの極意
社内営業がうまい人には、いくつかの共通点があります。意外と誰でも真似ができることが多いので、あなたがキャリアアップを望んでいるのであれば、この記事を読み終えたら今すぐ実践しましょう。
返報性の原理を使って「先手を打つ」
人間には「何かをもらったらお返しをしなければならない」と考える性質があります。これを心理学の用語で「返報性の原理」といって、ある心理学の実験では被験者が平均して4倍のお返しをしたという結果もあります。
この返報性の原理を社内営業に活用して先手を打てば、お返しとして仕事を手伝ってもらえるようになります。先手を打つというのは相手に何かをしてもらうために、自分が先に何かをするということです。
例えば会議の資料作成をさりげなく手伝ってみたり、相手が仕事でミスをして落ち込んでいるようなら話を聞いてあげたり、もしくは毎朝必ず自分から笑顔で挨拶するといった小さなことでも構いません。相手が喜び気持ち良くなることを積み重ねておくだけで、あとから大きなお返しを得ることができるのです。
相手の得意分野で「相談する」
人は誰でも自分の得意分野には自信を持っています。そのことについて尋ねられると自己承認欲求が満たされ、気分良く話すことができます。そしてそのとき人の心理は「この人は自分を気持ち良くさせてくれる人だ」と考え、相手を好ましい人物だと思うようになります。特に役職や年齢が高い人は、目下の人から得意分野について相談を受けると「可愛いやつだ」と思うものです。
例えばゴルフが趣味の上司には「なかなか上達しなくて……。上手くなるコツとかってありませんか?」と相談するのもいいでしょう。食べ歩きが趣味の同僚には「今度この辺りに遊びに行くんだけど、美味しいお店知らない?」と相談するなどの積み重ねが、社内営業につながります。
やってもらったことを「自慢する」
相談に乗ってもらったり、何かしてもらったときは、きちんとフィードバックをしましょう。「あのときはありがとうございました」「おかげで助かりました」という感謝の気持ちを本人に伝えるのも効果的なフィードバックです。
もっとも効果的なフィードバックは「○○さんのアドバイス通りスイングしたら、生まれて初めて球がまっすぐ飛んでいったんですよ!」などと、アドバイスしてくれた人の前で自慢して気持ち良くさせてあげることです。
こうすると相手はさらに自己承認欲求が満たされ、ますます「この人は自分を気持ち良くさせてくれる人だ」と考えるようになります。そうすれば返報性の原理が働き、仕事で助けてもらえる場面もふえていくはずです。
嫌いな人や苦手な人は「部分否定」でなくす
決裁権を持っている部長や、事務部を陰で牛耳る御局様、お金の管理に正確な経理担当など、社内には必ずキーパーソンがいます。本来社内営業はこうしたキーパーソンから働きかけていきますが、なかにはどうしても嫌いな人や苦手な人がいるものです。しかし社内営業はあくまで仕事ですので、好き嫌いで決めるわけにはいきません。
そこで効果を発揮するのが「部分否定」です。人には必ず良いところと悪いところがあります。「悪いところは嫌いなままで、その人の良いところを好きになる」というのが、人間関係における部分否定です。相手の良いところを見つけられれば、嫌いな人や苦手な人はどんどん減っていきます。
まとめ
いかがでしたか。社内営業をすればキャリアアップができるわけではありません。
しかし、キャリアアップの可能性があるにも関わらず、人間関係でそれが叶わないのは非常に勿体無いことです。あくまで、スキルの研鑽を継続しつつ、チャンスが来た時に確実にものにできるよう身につけておくべきでしょう。