来たる少子高齢社会を前に、すでに一部の業界・業種では労働力の不足が顕著に表れつつあります。
政府は副業を解禁することで、多様な働き方を後押ししていますが、実際のところ、どうなるのでしょうか。
様々な意見がSNSやマスメディアを飛び交っていますが、間違えなく言えることが一つあります。
それは、「自らのキャリアを主体的に選択すること。そして、理想のキャリアを描くための準備・実践をすること。」の重要性が今後かなり高まることです。
これまでも、理想のキャリアを思い描いて、それに向かって、計画的に実践することは重要でした。しかし、これからは自分自身のキャリアは自分でプランニング・デザインすることが必須であり、当たり前の時代となります。
すでに、時代の流れを予期して、行動している方も少なくないかとは思いますが、これまで考える機会に出会わなかった方々はこれを気に一度考えてみることをおすすめします。
キャリアプラニングとは？
「キャリアプラニング」とは、キャリア（職業履歴）について、目標や性格、スキル、特徴などを明確にし、構造的に自身を把握する行動のことです。または、キャリアの計画を立てることそれ自体をサポートすることも指しています。
思い描くキャリアアップを実現して、理想の働き方を実現するためには必要不可欠な考え方です。
また、ここでのキャリアアップとは、単なる昇進による給与や一般的な地位の上昇だけではなく、あなたが目指すキャリアや人生を送ることができているかどうか、が重要な指標となります。
以前は、大企業に入ることそれ自体に「価値」が高くついており、そこに属しているだけで人生の安泰に繋がりやすかった、という風潮がありました。
しかし、現代において、重要なのは「どこに属しているか」よりも「何ができるか」です。
特別なスキルや考え、つまりあなた自身に価値がない場合、仮に皆が羨むような大企業に所属していたとしても、あなたの将来は一切保障されていない、むしろ危険な状態であることを自覚した方が、あなたの今後のためでしょう。
大企業でも見直されつつある終身雇用制度や年功序列といった慣習は、企業側として見直す風潮がありつつも、実のところ、それらの制度を維持できる企業が減ってきたという側面を持ち合わせています。
あなたのキャリアプランにそぐわない働き方をしている場合は、ずっと入りたかった有名な大企業であっても、転職・独立をしてキャリアアップをする方がよほど、あなたのためでしょう。
キャリアプラニングとキャリアデザインの違い
最近では「キャリアデザイン」という言葉も聞かれるようになりました。カタカナ語であるので、単純に訳してしまえば同じ言葉とも取れないことはありませんが、本来の意味には若干の違いがあります。特に欧米においては詳細に分類わけがなされているようです。
※メディアや著書によっては同意としている文献も見受けられます。あくまでアーキャリ編集部の解釈となります
「キャリアプラニング」：職業（職務）上における目標や性格、スキル、特徴などを明確にし、構造的に自身を把握する行動
「キャリアデザイン」：キャリアや職業人生（仕事人生）について、理想像を主体的に設計する行動
将来の理想像を様々な視点から探り、そのイメージを主体的に設計していくのがキャリアデザイン。いわばあなたの「（職業）人生全体」について考えることです。
それに対し、キャリアプランニングはそのイメージから、目標までの具体的なプロセスや取り組むべき課題にポイントを置いて計画を立てていきます。
キャリアプランニングの特徴は、人生全体について理想を設計していくのではなく、その理想に向かって、自身の能力を把握し、理想とのギャップを埋めていく活動に近しいでしょう。
理想や目標と自分の能力とのギャップを明確にしたうえで、そのギャップを埋めるために必要なプロセスを組み上げること、それがキャリアプランニングだと言えそうです。
あくまで筆者のイメージですが、キャリアプラニングの集合体がキャリアデザインと捉えると少しイメージが湧きやすいかもしれません。
キャリアデザインについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
キャリアプランニングを考えるうえで重要なポイント
前述の通り、キャリアプラニングとキャリアデザインは密接に紐づいていることができたかと思います。
この他にも「キャリアマネジメント」という言葉や「キャリアドリフト」と呼ばれるような言葉も存在しています。
では、今回のテーマであるキャリアプランニングについて、実践するためにはどのようなポイントに留意する必要があるのでしょうか。
ここからは、下記の例を元にキャリアプランニングを行う際のポイントを紹介していきます。
「自分が望む役職に昇格するためには、5年以内に国家資格を複数取得しなければならない」
キャリアデザインを明確にしよう
まずは、キャリアプランニングを設計する前にキャリアデザインを明確にしてください。
キャリアプランニングはキャリアデザインのいち要素と捉えると、全体のイメージが明確でないと、いくら考えて設計をしようとしても抽象度の高いプランになってしまいます。
抽象的な言葉を明確にしよう
上記の例文では、「5年以内」「複数取得」というワードが登場しています。
5年以内で良いのであれば、1ヶ月後でも5年でも良いことになってしまいます。「いつ」プランを達成するのか、より明確になっていると良いでしょう。
また、「複数取得」を目指しているのは国家資格です。国家資格は年間で受験できる回数が少なかったり、試験の難易度が高かったりと、基本的に取得するのに時間がかかる資格です。
どの資格とどの資格をいつまでに取得するのかを明確にすれば、自然と達成までの道のりも明確になっていくでしょう。
まとめ
学生や若手社員など、年次が若い方ほど、将来のイメージが明確になっていない傾向がありますが、それはごく自然なことです。
ですが、可能性に満ち溢れていて、制約が少ない時だからこそ、理想を明確にしておくだけで、有意義な時間を過ごすことができます。
毎日意識するだけでも1年後には大きく成長している自分に気がつくでしょう。
時間は有限です。将来のゴールに向かって、1日の積み重ねを大切にしていきましょう。