昨今、学生だけでなく社会人がインターンを行うことも珍しくなりました。
SNSやニュースではよく見かける言葉ですが、周囲で社会人インターンをしている方を探すとまだまだ少ない、あるいは見かけないという方も多いでしょう。
実際に、社会人インターンとはどのような就業方法を指すのでしょうか?
この記事では、主に
- 社会人インターンとは?
- 社会人インターンが注目される背景
- 社会人インターンを行うメリット
- 社会人インターンの始め方
について詳しくご紹介していきます。
社会人インターンという選択肢を持つこと、実際に挑戦してみることで、あなたのキャリアの幅が広まります。
早めに理解しておきましょう。
社会人インターンとは?
学生がインターンをしているのはよく見聞きしますよね。
実際に、学生時代にインターンの経験がある方も多くいらっしゃるでしょう。
では、そもそも『インターン』という言葉は何を指しているのでしょうか?
そして、社会人インターンと学生インターンに大きな違いはあるのでしょうか?
そもそも『インターン』って?
そもそも、インターンとは正式には『インターンシップ』という名称です。
一般的に、インターンシップとは『(主に学生が)企業で一定期間実務を体験する』ものです。
楽天みんなの就職活動日記による2018年9月就活生動向アンケートの調査結果によると、
近年様々なインターンシップが開催されており、参加率も増加傾向にあります。
実際に、昨年(2020年卒)は約9割がインターンシップに参加しており、 インターンシップの参加が実質的な就活のスタートと言えそうです。
現在では、ほとんど全ての学生が何らかのインターンに参加しているようです。
社会人インターンと(学生)インターンの違い
社会人インターンと一般的な学生インターンと、違いは何でしょうか?
まず大きな違いとしては、社会人インターンの場合は給与が発生する場合がほとんどという点。
学生インターンの多くは、長期的なインターン出ない限り、報酬が発生しないものが多いようです。
それに対して、社会人インターンの多くは時給1,000円程度から募集されているようです。
相場としては、通常のアルバイトと概ね同程度の金額です。
また、就業時間にも違いがあります。
平日昼間は本業を持っている社会人も多いため、就業時間が土日や終業後などに設定されていたり、週2日間〜の稼動や、在宅勤務などの相談ができたりする場合も多いようです。
なぜ、社会人インターンが注目されているのか?
なぜ社会人インターンが注目されるようになったのでしょうか。
多様な働き方が認められるようになった
近年では、成果主義の台頭や人材不足により、多様な働き方が認められるようになりました。
例えば「副業」。
まだまだ少数ではありますが、通信大手のヤフーや、ソフトウェア開発のサイボウズなど、事前申請があれば副業を可とする企業も増えてきました。
また、就業時間や出社の有無ではなく、その成果のみを重視する傾向から「在宅ワーク」「時短勤務」が認められる企業も増加しています。
これらの社会の変化により、企業側も社会人インターンを柔軟に受け入れる環境ができ、人材側も本業以外のチャレンジに取り組みやすくなったとう背景があります。
参考:サイボウズ株式会社「複業採用」
参考:ヤフー株式会社「文化 – 制度・環境 – 採用情報」
スタートアップやベンチャー企業の増加
近年、国や自治体の支援事業等の積極化もあり、スタートアップやベンチャー企業が増加しています。
しかし、知名度や条件面でのメリットの大きい大企業と比較すると、その人材の獲得競争には厳しいものがあります。
そのスタートアップやベンチャー企業の採用手段の一つとなっているのが、社会人インターンです。
これは、セキュリティ面や情報漏洩などの観点から、大企業ではあまり実施されていません。
その点、スタートアップやベンチャー企業は小規模で柔軟な対応が可能なため、人材側にもメリットの大きい社会人インターンを積極的に実施する事ができるのです。
社会人インターンを行う目的
社会人インターンを行うことの目的(メリット)や、企業が募集する目的はどのようなところにあるのでしょうか?
社会人側のメリット
本業では身につけられないスキル・知識の習得
インターンの種類によっては、本業の知識やスキルを活かしつつ、普段とは全く異なる仕事に従事することが可能となります。
社会人インターンを行う方にとっては、報酬額よりも
- 普段とは異なる仕事を通して、新たな知見がつくか
といった観点で社会人インターンに挑戦する方が増えて来ています。
満足度の高い転職活動
社会人インターンを経験する方の中には、転職活動を目的として行う方も多いです。
入社前から会社の仕事や職場の雰囲気が把握できていることで、入社前とのギャップを減らすことができます。
誰とどのような仕事をするのか、事前にわかっていると、転職直後も変に緊張することがなく、スムーズに新しい仕事に挑戦しやすくなります。
企業側のメリット
優秀な人材の確保
まずは、優秀な人材の確保です。近年は深刻な人材不足となっており、求人情報・転職サイトのDODAの調査によると、転職求人倍率は2017年7月で2.31倍と高い数値を記録。優秀な人材の獲得競争は激化しています。
そんな中、自社に興味を持った人材が気軽に職場体験できるような門戸を広げる事で垣根を低くし、優秀な人材を囲い込む事が大きな狙いの一つとなっています。
出典:転職ならDODA(デューダ)「転職求人倍率レポート(2017年7月)」
雇用のミスマッチの防止
次に、雇用のミスマッチの防止です。
前段で少しご紹介しましたが、雇用のミスマッチとは、企業側と求職者側のニーズにギャップがあり、それによりそもそも人材が集まらなかったり、採用に至っても早期離職に繋がったりする事を指します。
事前に仕事の内容や職場の雰囲気を経験してもらい、適性があるかを判断したうえで採用可否を決めることができます。
社会人側からしても、ミスマッチの可能性が低くなることはメリットと言えるでしょう。
イノベーションの創出
近年では上記の目的以外にも、「同業を含む他社の人材を一定期間受け入れる」というスタイルの、社会人インターンを行う企業も出てきました。
これは採用を目的としたものではなく、他社での経験や社風を持った人材を一定期間迎え入れる事により、組織に刺激を与えたり、新しい考え方や働き方を取り入れて、イノベーションの起爆剤にするという目的があります。
社会人インターンの種類
社会人インターンは、主に期間によって分類されることが多いようです。
報酬・報酬の有無や、どれくらいの時間コミットできかによって、条件が異なります。
長期インターン
まず、数ヶ月間などの長期インターンです。あらかじめ「3ヶ月まで」など期間が設定されている場合や、就業する中で相談して期間を決定する場合もあります。
長期インターンの場合、基本的に人材をその企業の組織に所属させ、社員と一緒に通常業務をこなすOJT的な研修が実施されるケースが多いようです。
人材は実際に戦力として扱い、最終的な成果を求める場合もあります。
短期インターン
次に、数週間程度の短期間のインターンです。あらかじめ「2週間程度」など期間が設定されており、その中で通常業務を実施するOJTが実施されるケースが多いようです。
ただし、長期インターンと違って期間が限られているため、例えば、数日単位で工場勤務・営業・事務補助などの一通りの職種を体験するケースもあるようです。
また、その期間の中で特定のミッションを与え、成果を求めるケースもあります。
1dayインターン
最後に、近年増加している1日だけのインターン「1dayインターン」です。
これは、自社に興味のある人材を対象に、自社の仕事内容などを伝える研修や社内見学を行ったり、既に自社に就業を希望している人を対象に、最終面接の代わりとして1日の業務を体験してもらう等の目的で実施される事が多いようです。
社会人インターンの始め方
社会人インターンを探し方・始め方は、主に以下の3パターンが一般的です。
- 企業のHPを直接調べる
- 転職サイトで調べる
- 社会人インターン募集サービスで調べる
企業のHPを直接調べる
企業のHP(ホームページ)、もしくは採用特設ページに稀に募集がかけられていることがあります。
どちらかというと、大手企業よりも、いわゆるベンチャー企業やスタートアップと呼ばれるような企業では募集をしていることが多いようです。
転職サイトで調べる
よく調べてみると、通常の転職サイトにも『社会人インターン募集!』といった文言を見かけることがあります。
まだまだ募集こそ少ないものの、転職サイトを一度眺めてみると、良いかもしれません。
社会人インターン募集サービスで調べる
ここ数年で、募集をしている案件が『社会人インターン特化型のサイト』も登場しています。
世の中的には、これから浸透していくことが予想されるので、以下では、主にどのようなサイトがあるかをご紹介します。
おすすめの社会人インターン募集サービス
社会人インターンの募集を専門に扱うサービスは、まだそこまで数が多くないようです。
今回は、その中でも初めての社会人インターンを検討している方におすすめのサービスをご紹介します。
ゼロワンインターン
ゼロワンインターンは、長期インターンに特化した日本最大級のインターンシップサービスです。
ベンチャー企業から、大手企業まで多数の掲載実績があります。
主に学生向けが中心ですが、既卒者向けのインターンも多数掲載されており、社会人やフリーターも参加できるケースも多々あります。
掲載費用は業界最低水準であり、採用のニーズに沿った様々なプランから選ぶ事ができます。
また、最短で申し込み当日に掲載が可能で、急な募集にも対応できます。
仕事旅行
仕事旅行は「おとなのインターン」をキャッチコピーとした体験型転職サービスです。
最終的には採用を目的としていて、まずはインターンプログラムを作成、その後募集用の原稿を作成し、掲載します。
応募があれば選考を行い、通過した求職者にインターンを実施するという流れです。
実際に仕事旅行に掲載してインターンを受け入れたメディア系企業では、求人広告では採用が苦戦していたものの、社会人インターンを募集したところ、これまで出会った人材よりも「きちんとした人」「驚くような人」と出会え、最終的に採用に至っています。
まとめ
最後に、社会人インターンについておさらいします。
- 社会人インターンは学生向けインターンと違い給与が発生するものが多く、また、週2 回程度や夜間・土日などに実施されるケースも多い
- 社会人インターンの目的は主に「採用」であり、優秀な人材の採用や雇用のミスマッチの防止が挙げられるが、中には受け入れによりイノベーションの創出に繋げるという目的のものもある
- 近年、スタートアップやベンチャー企業を中心に社会人インターンの受け入れ企業が増加しており、専門サービスなども複数生まれている
社会人インターンについて、少し興味が出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今後、あなたの周りでも社会人インターンを始める方が増えてくるでしょう。
もし、少しでも興味があれば、今のうちに興味の湧きそうなインターンを調べてみてください。
周りより、少し早く始めるだけで、一歩リードすることができるでしょう。